
NO CHOCOLATE COIN

日本のバレンタイン文化における「0」
When a number becomes a unit.

CONCEPT
バレンタインが『0』だったなら、買う。
何かを期待したからではなく、何も起こらなかったという結果がそこに確かに存在したからだ。
バレンタインでチョコレートを受け取ったなら、売る。
価値を得たからではなく、その年において『0』が成立しなかったという事実が確定したからだ。
ここでの売買は、取引ではない。
判断でも、戦略でもない。文化が毎年生み出す結果に対する、単なる反応である。NO CHOCOLATE は、もらえなかった人のための慰めではない。もらった人への皮肉でもない。ただ、『0』が生まれた年に存在し、『0』が生まれなかった年には手放される。

ROOT / BACKGROUND
日本のバレンタインは、恋愛行事というよりも、社会的制度として反復される儀式である。
相互の祝祭として語られる地域が多い中で、日本では女性から男性への一方向的な贈与が、文化装置として定着してきた。
チョコレートは感情を表すものではなく、関係性を可視化する媒介である。
この制度は祝祭であると同時に、評価装置として機能する。
装置が動く限り、必ず『何も受け取らない人』が生まれる。
語られない空白に名を与えるために、NO CHOCOLATE は置かれる。